みなさんは住宅の室内空間において天井付近と床付近の温度差が少ないことが、予防医療になることをご存知ですか?
シックハウスを研究している医学者が、気密断熱を気にして作られてきた従来の住宅と、気密断熱を設計上で制御して作られた住宅にシックハウス症候群の既往のある人の協力の下に実験を試みている例があるようです。
同一条件のもとに一定期間滞在していただき、その血圧と脈拍を比較すると明らかに気密断熱を気にして作られた住宅に軍配が上がっています。
そのあたりを勉強されているある知り合いからのメールを以下に紹介しておきますが、私も心して取り入れている設計方針がエネルギーロスを押さえるだけでなく、予防医療にもなっていることに充実感を覚えました。
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すでにご報告済みですが、「シックハウスと考える会」と「安全な住環境に関する研究会」
とのジョイントで健康住宅モデルハウスが昨年完成しています。勿論アイシネンが採用
されていますが、5月15日に研究会の総会と報告会が東大坂本先生や省庁の方々さらに
杉田医学博士(大阪労働衛生総合センター所長)も出席のもとに行われました。キング
ラン・ハウネストもこの研究会の会員として今後活動を開始して行きます。この報告書
は国交省住宅局の名前で出版されています。
報告の中で、血圧測定の比較が発表されました。温度差がない居住空間ではいかに安定
しているかがわかります。協力者は45歳のシックハウス症候群の既往のある男性で
血圧、脈拍の測定結果です。築20年在来住宅の温度差のある結果との比較です。
* 在来住宅での各室の温度と入浴前後の血圧変動
場所 温度 血圧 脈拍
リビング 17℃ 126-84 72
風呂場 6.4℃ 151-101 76
入浴中 風呂湯温度 41℃ 137-78 79
入浴後 147-98 76
リビング 17℃ 124-84 75
* モデルハウスでの各室の温度と入浴前後の血圧の変動
場所 温度 血圧 脈拍
リビング 19.5℃ 120-80 72
風呂場 19.5℃ 131-85 76
入浴中 湯温41℃ 125-82 74
入浴後 134-86 76
リビング 19.5℃ 122-82 75
温度差のない暮らしでは、以上の様に最高血圧、最低血圧とも変動は少ないという事
がお分かりいただけると思います。住環境を良くする事は、予防医療に繋がっている
といえます。予防の大切さを改めて認識したいものです。
最近ハウスメーカーなどのCMや折込チラシなどで、「シックハウス対策を十分に考えています。」や「ホルムアルデヒドゼロの家」などのキャッチコピーをうたうハウスメーカーが増えています。こんな大きく宣伝している住宅だったら安心だと思いますか?確かにCMやチラシなどで大きくシックハウス対策済みと書いていればある程度シックハウス対策をしているだろうし、住まい手の健康を配慮した健康住宅なんだなと思いますが、ハウスメーカーの健康住宅に住む全員が全く健康に問題ないかと言えばそうではありません。…