人にも忍耐強い人と逆境を受け流すように生きてゆける人がいるように、地震に耐え忍ぶ建物と地震を受け流す建物があるのをご存知でしょうか?
ちょっと考えてみても耐えて生きてゆくのはストレスが溜まってしまい、どこかで耐え切れなくなります。
逆境を受け流すように生きてゆける人は持って生まれて器用な人か、苦労の末に悟りを開いた人、もしくは鈍感な性格?かもしれません。
(小生の身の回りにも驚くほどデリカシーのない人がいます???)
実は建物の場合はそれほどの苦労もせずして地震を受け流すことができます。
木造の伝統工法、耐力壁が少なく釘などの金物ではなくホゾやクサビ、ヌキなどの仕口が構成されている建物、身近な例では神社や寺などです。
基礎は石の上に固定もせずに柱が据えられているだけ、柱とは柱はヌキで繋がれており、梁は柱に長ホゾで抜かれてクサビで止められている。
柱や梁はこれでもかと言わんばかりに身が太く、まさに自然素材の固まり、森の復元物です。
地震の実大実験でも阪神の大震災クラスの揺れにも、ギシギシと石の上で揺れながらも究極の免震で復元してしまうのも見たことがあります、めり込みが生じた部分は部分補修で元のままになる。
耐震、耐震と騒がなくともヌキ構造を見直して住宅の基本構造に取り込むことに目を向けてはどうでしょうか?
マスコミに流されて、にわかじたての建築知識でメーカーの手先のような家を作るようでは地震がきて壊れてしまうのが関の山。