手作りキッチン



ショールームが用意されているメーカーのキッチンは、ショールームで見ているせいでしょうか、仕上がった状態は確かに美しいのですが、何か生活感がなくまとまりすぎているような印象を受けます。

手作りのキッチンは自らこうして使ってくださいと言われているようで、料理の楽しさを表現しているようにも感じますが大袈裟でしょうか。

機器の性能を見ていても力こぶを感じますし、オープンな空間には自由度があります、まさに一生使い込んでいきたい感覚です。

アクセントタイルはアーストンモザイク・ウエルディエイソシエです。

気密を確保するために、吉川化成の換気扇が排気を開始すると同時に吸気扇が回転し始めるという仕掛けも作りました。

暖炉がいい

暖炉を生活の中に取り入れると暖房に対する考え方が変わります。

エアコンは電気によって稼動していることが多いようですが、本来は空調といって空気を暖めることによって「暖をとる」という、火のメンテナンスが行き届かない施設のためのものでした。

普及力と手軽さ、お金でものを片付けてしまおうとする日本人の悪い癖の性でしょうか、住宅のような小さな空間を暖めるには消費電力のたくさん必要なエアコン(最近は電力のいらないものが多くなってきましたが)による暖房は人間の体にとっても日本人の古来からの文化性にも似合わないと思うのですが。

やはり「暖をとる」といった感覚の暖炉のような暖房器具が似合う気がします。

暖炉ではたき火のように輻射熱といって直接人の体を暖めるのと、熱を受けた壁や柱が天井、特に無垢材が良いのですが、それらが蓄熱(熱を蓄える)することによる暖房になります。

時間と手間はかかりますが、現代の暖炉は火持ちも良く煙も少なく暖炉の前面に吹き出すことはありませんし、一度火が入れば朝まで暖かく過ごせます。

そして体にとっても良いです。

長い人生慌ててどうすると考えれていらっしゃる建築主さんにはお奨めです。

アイランド型キッチン



今年ももう少しでフィナーレ。

今年お会いした建築主さん、事務所へコマーシャルにみえるキッチン屋さんも、異口同音になぜかアイランド型キッチンがもてはやされていました。

アイランドを生かすプランは確かに意外性のある面白いものにはなりますが、果たして毎日の生活に負担にはならないかが不安でした。

充分な検討をされた方は良かったようですが、結局「ミーハー」に決定されかけた方もいらっしゃいました。

特に台所に向かう時間がどうしても短時間で終わらざるをえないような、「働く主婦」さんにはお奨めしたくないのです。

アイランド型キッチンを世に知らしめてくれた宮脇壇先生には申し訳ないんですが。

こんな考え方のキッチンはいかがでしょうか?

昨夜の夢物語




子供の頃からよく夢をみます。

いいおじさんになって何を寝言いってるの?・・・ですが。

ほとんどの人が夢をみているのだけれど、ほとんど朝起きると忘れているのだそうです。

昨夜は久しぶりに覚えていました。

それは、自分の作った住宅に泊めてもらった夢でした、それも子供と一緒に。

あのプランは確か揖斐川町の北方に完成した「私の北方住宅」の2階の北西隅にある子供室でのことでした。(夢の中で)

床についてもう眠ろうかと子供と話していると、下からご家族の話し声が聞こえてきた。

そこでふと思った、1階の話し声が聞こえるのだから2階の話し声も1階で聞こえているのかもしれない。

内容まではもちろん不明確で聞き取れないのだけれど・・・

果たしてこれは住宅の性能としてよしとするか否か。

家族ごとの事情に応じてきっと二分される価値観ですが、概ね良しとするのが私の考え方です。

もちろんその音が構造上の不備が原因であったならそれは論外ですが、ネダレス工法の床でしかも気密をキチンとやっていると平面プランによってはその可能性はあると。

子供が親の話し声をうるさいと感じても感じなくても、家族の営みに任せてよい程度の事柄。

住宅の性能を数値で争う紋切り型の説明を加えること、それに固執するコマーシャル、何か渇きを感じてしまうのは私だけでしょうか。

・・・・夢の中でそこまで突き詰めて考えていたわけでは無いのですが、これだけの出来事にも何かしら教えられたのを気がつき、書き残してみました。

雪は景気対策




私の地元、岐阜県の揖斐川町の去年の冬は大変でした。

何が大変かといえば、積雪のことです。

今年は暖冬で、今日12月20日でも屋外での仕事があったのですが、寒いとは思えません。

2004年に完成した住宅のデッキテラスで建築主さんと雑談を交わしていたのですが、むしろ気持ちが良いほどの気温でした。

戻りますが、昨年の冬は本当にたいへんな豪雪でした。

あちこちの屋根や庇、カーポートが雪の重量に耐え切れずに落ちたり潰れたり、穴が開いてしまったり、まだまだ不景気の風の中にあるこの地方の職人さんたちに、思わぬ景気の風が吹きました。

1年が経過しようとしている今でも片つかない仕事がいくつも残っているようです。

今日この頃の暖冬は職人さんたちに早く片付けろと忠告しているように思えてきます。

建築写真の撮り方教えます



面白い建築写真の撮り方をお教えします。

建物が完成したらやってみる写真の撮り方があります。

とにかくたくさん撮ること、完成する頃に一日に100カット以上を3日くらいは現場に通います。

これは大学時代に写真サークルに在籍した頃に覚えたことですが、100カットを撮ってもそのうちの面白いと感じる写真は数カットです。

ただし学生の頃の写真のテーマは社会問題を浮き彫りにするというジャーナリストのようなものでしたので、そんな視点で選定していました。

建築の設計を職業にするようになってからは、ちょっと変わりました。

それは、建物の中を歩く順序、人間の動線を意識しながらたくさん撮ってみるのです。

アングルも変えてみてさらにたくさん撮ります。

今はデジカメの時代ですから、パソコンに取り込んでワンカットずつ学生の頃のように丁寧に眺めてみます。

これは本当に教えたくないのですが、面白い発見がいくつも出てきます。

写真ワンカットずつ見る動線の検討はユニバーサルデザインに通ずるものを発見します。

インテリアデザインを振り返ることもこの方法が生きます。

デジカメを通して額縁に入れたインテリアは図面を描いていたときの建物とは違う魅力を発見するときもあります。

工事が終わってから眺めなおす工事の様子や竣工の状態は現在進行中の設計に対して、こうしなさいと意見を言っているようでもあります。

書き出すともっとたくさんのメリットがありますが、もしあなたが建築主さんでしたらデジカメでたくさん撮っておいて作ったという事実と歴史を残しておいてやってください。

幸いにして画像データはそんなにパソコンのハードを占拠することはないですから。

私の「北方住宅」




揖斐川町には北方というところがあります。

揖斐はこの北方の伊尾野という地名がルーツと言われていますが、ここに2004年に完成したのが私の「北方住宅」です。

岐阜県にはもうひとつの北方町があり、そちらには岐阜県庁ご自慢の北方住宅があります。

かの磯崎新さんやデイラーさんが設計に参加された共同住宅群です。

前知事、梶原拓氏は中央の建築家さんがお好きなようでしたが・・・・

話を戻して、私の「北方住宅」は木造の2階建てですが、岐阜県の「ぎふの木で家づくりコンクール」に出品してあり、一次審査を通過して現地審査を受けることになりました。

夕食のとき長女と冗談を交わしているときに思いついたパロディーでした。

辰巳工業のステンレス加工


グレコサイドテーブル2個セット

年末になってあまった時間を利用して「建築ブックマーク」さんの関係で、各務原の住宅の現場監理日記をまとめています。

今日もキッチンの流しを設置した頃の記事を書いていましたが、ちょうどその日が5月の25日で私の誕生日でした。

設置日が誕生日と重なっていたところで感傷的になる年齢でもないのですが、それ以上にキッチンの仕上がりの素晴らしさに感動したのです。

これだけ本格的なオリジナルキッチンを建築主さんと何度もデザインを打合せて作った経験は少なく良い経験をさせていただきました。

辰巳工業さんは知る人ぞ知る有名なキッチン屋さんですが、百聞は一見に如かず。

是非グーグルで検索してみてください。

また来年は「まちかどけんちくか」の内容をさらに詳しくお伝えできる編集を加える予定でおります。


建築雑誌は何のため

日経アーキテクチャー、日経ホームビルダー、建築ジャーナル、建築士、アーガスアイ、中電さんが送ってくださる雑誌。

どの雑誌も興味深いことが特集してあり、欲張って全てに目を通そうと頑張るのですが、結局全てを読めずに枕元に積みあげられています。

読んでみて全てが頭に残るわけも無く、全てが仕事の役に立つわけもないのですが、それでも読みたくて仕方が無いものだから読めなくて残るのは後悔ばかり。

お金を払って後悔を買っているようなもの。買わなきゃいいのに。

具体的知識の増殖や新たな発想の種を拾えることを望んでいるのですが、確信できるものは拾えずに、結局のところは仕事の企画に繋がる何か、大雑把な世の中の流・・・・程度に留まっています。

それでも買うのをやめようとしない「欲」に本当は感謝するべきなのでしょうか。



洋便器は小さくすれば便所を広くしなくてもいい

障害者の方など健常者以外の方のためにと叫ばれている「バリヤフリー」とかユニバーサルデザイン」。

そのための改修工事の一つの方法が便所を広くして、入りやすくする、補助器具を設置する、など。

最近の洋便器はエロンゲート(大型)レギュラー(普通)も以前のタンク付きのものより10センチ以上全長が小さくなっています。
そして便座の穴の形状が使いやすく改善されています。

私も最近メーカーさんのショールームで見てみて今更ながらびっくりしました。

確かに小さくなっているのは感じていましたがこれほど工夫が進んでいるのを、自分で舐めるように眺めてスケールを当たってみて分かりました。

したがって、従来からある便所の便器を取り替えるだけで、壁を破って広くする必要がなくなる可能性が大きく広がったということです。

大騒ぎすることではないような話ですが、まさにその不便さに苦しめられている方にとっては朗報です。

さらに発展させて、便所とお風呂と洗面所をひとつの空間にすると良いのではないでしょうか。

古いマンションのワンルーム型のユニットバスを思い浮かべている方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。

高級ホテルの広い空間のイメージで便利さを追求してみたいと考えています。