
面白い建築写真の撮り方をお教えします。
建物が完成したらやってみる写真の撮り方があります。
とにかくたくさん撮ること、完成する頃に一日に100カット以上を3日くらいは現場に通います。
これは大学時代に写真サークルに在籍した頃に覚えたことですが、100カットを撮ってもそのうちの面白いと感じる写真は数カットです。
ただし学生の頃の写真のテーマは社会問題を浮き彫りにするというジャーナリストのようなものでしたので、そんな視点で選定していました。
建築の設計を職業にするようになってからは、ちょっと変わりました。
それは、建物の中を歩く順序、人間の動線を意識しながらたくさん撮ってみるのです。
アングルも変えてみてさらにたくさん撮ります。
今はデジカメの時代ですから、パソコンに取り込んでワンカットずつ学生の頃のように丁寧に眺めてみます。
これは本当に教えたくないのですが、面白い発見がいくつも出てきます。
写真ワンカットずつ見る動線の検討はユニバーサルデザインに通ずるものを発見します。
インテリアデザインを振り返ることもこの方法が生きます。
デジカメを通して額縁に入れたインテリアは図面を描いていたときの建物とは違う魅力を発見するときもあります。
工事が終わってから眺めなおす工事の様子や竣工の状態は現在進行中の設計に対して、こうしなさいと意見を言っているようでもあります。
書き出すともっとたくさんのメリットがありますが、もしあなたが建築主さんでしたらデジカメでたくさん撮っておいて作ったという事実と歴史を残しておいてやってください。
幸いにして画像データはそんなにパソコンのハードを占拠することはないですから。