独立して間もない頃に知り合いの建設会社社長さんに「現場管理も勉強してもらうといいですね」といわれた事がある。
ちょっと腹が立ったので「現場監理を知ってもらうといいですよ」と答えたことがある。
この意味は理解できますか?
よく就職希望の面接に来られる方に「監理と管理の違いは何ですか」と尋ねてみますが、多くの場合はハッキリしない。
特に現場出身者には・・・・・
本当は現場監督を経験してらっしゃる方の方が分かるはずなのに。
管理者は現場の管理者です。
工程が遅れないように、種々の事情で変更があるようならば調整してゆく。
各協力業者の納まりや段取りを調整してゆく、いわゆるエンジンの潤滑油のような役目です。
監理者は監理者です。
工程の進行を邪魔をしてはいけませんが、設計を変えることはできません。
現場管理者は故意ではないのですが工程を急ぐあまりに設計の意図を変えてしまって解釈していることがあります。
こんな場面では監理者であることを主張すべきです。
これは例え相手が建築主であっても、事情を説明して理解を求めるのが職域というものです。
ちょっと話が飛躍してしまいますが、最近起きている日本全国の談合事件や公務員の不祥事など、いじめまでもがこの守らねばならない一線を「何でもあり」の民主主義の履き違えが起こしてしまっているようにも思えます。
かの構造計算偽装事件を引き起こしたのもこの延長線上にあります。
加えるに若い建築士さんにはこの基本を勉強してほしい、一般の方にはこのボヤキを知っていてほしい。