どんな仕事も楽しいばかりで終わることはありません。
苦しみが伴うからこそ楽しみもひとしお感じられることもあります。
また常に楽しさを感じながら仕事をすることは出来そうで出来ないことです。
ところが、好きでやっていることであったり、一回でもその仕事の醍醐味を感じているとちょっとした苦しみも難なく乗り越えて、知らず知らずのうちに面白さを感じてしまっているという場面にも出くわします。
それは永年同じ流れの中で身を浮かべているせいかも知れません。
そんな経験の中から最近感じることの一つに作る楽しさがあります。
しかしそれは作る側、設計者のエゴでしかないのかもしれません。
そのエゴは建築主にとっては必ずしも悪いことではなく有益なことのほうが多いのは確信を持っていますが。
さらに住まう側の建築主は住まうことのほうが当然のように興味が強いはず。
技術的な内容をマニアックに追求してみたい方もいらっしゃいますが、やはり住まう楽しさに興味が強いのは逆に住まう側のエゴ。
そのことにどれだけ思いを馳せて共感できる設計者でいられるかは、多くの経験を積み重ねてゆき、一つ一つの設計経験を丁寧に点検できなければ到達できないようです。
設計のプロと思えるにはそんな考え方の道筋に乗っかっていないと無理なのかなと・・・・・