設計事務所と請負業者の違い・その3


グレコサイドテーブル2個セット

続き

・透明度の高い設計
設計内容によって工事費のサイズはコントロールすることが出来ます。
これは委任契約という建築主との信用関係の裏付けがあり、請負契約のように工事原価を隠す必要もなくそれさえもお教えして透明度を高めることができるのです。
建築主と設計者が委任契約で結ばれる場合には施工者の立場も考慮しますが、工事の完遂ではなく建築主の立場を優先した設計を進めることができる理由です。
だからこそ内容の充実を図ることが出来ると言えます。
勢い施工者には難問を突きつける内容になっていることもあり得ますが、枠にはまった一定の範囲内での設計ではないのです。
もっと言えば逆にローコストを目的にした設計も可能になるのです。
それも工事費に利益を残すことはさておき建築主の負担を軽くするためのローコストなのです。
一方で設計施工という言葉をお聴きになったことがあるかと思いますが、設計をする人(会社)と工事を実行する人(会社)が同一という工事形態です。
大手の建設会社のように組織が目的別に完全に独立しておれば問題はないのですが、少なくとも木造の軸組工法においては、設計事務所のように独立した形の設計監理は無理に等しいと言わざるをえません。

続く

設計事務所と請負業者の違い・その2


グレコサイドテーブル2個セット

続き

・設計施工はバランス感のない設計になりがち
建築主と約束した一定の性能を実現したら、他の性能を実現する努力は工事の利益を残す努力に変化してゆくということです。
さらに施工者の設計は自社の考え方を実現する道具であっても、建築主の考え方を丁寧にくみ取る道具にはなっていかないということになります。
これを如実に表しているのは、気密度は良い数字を出しているのにデザインが悪いなどの性能にバランス感を欠いている建物を見かけることです。

続く

設計事務所と請負業者の違い・その1


グレコサイドテーブル2個セット

大まじめな文章を書きましたので、毎日続けますのでしばらくお付き合い下さい。

建築主と設計事務所が結ぶのは委任契約と言います、設計料は決していわゆる贅沢な建物を作るための経費ではありません。
むしろその逆であることを以下にまとめてみました。

・ 建築主と設計者は委任契約で結ばれます
建築主と設計者は委任契約で結ばれますが、設計を依頼したというのみでなく設計者が建築主の代理人としての立場を約束する契約です。

・建築主と施工者は請負契約で結ばれます
これに対して建築主と施工者は請負契約で結ばれます。
まだまだ多くの住宅は請負契約のみで施工されているようですが、これはあくまで工事を請け負う契約であって、設計も同時に致しますという契約ではありません。
建物を建てる以上は設計が不必要な場合はひとつもないはずです。
確かに施工者の設計には最低限の法的不備はありません、またセールスポイントとする性能も付加されます、ただし工事を任される請負契約を結んで工事そのものの実行が目的である以上は、設計はあくまで工事を完遂するため、利益を残すための内容とならざるをえない宿命があります。

続く

忙しいという愚痴




日々多忙なり、どこかで聞いたことのある文句ですが人間贅沢な生き物です。
本日は本来のブログにしてしまいました。
忙しいということは社会から信頼を得ているということであって、収入が増えるということにはならない。
設計という生業を20年以上続けていると収入が増えないことなんか気にしていたら生きていけるわけないんです。

ということは現在不況を乗り越えて生き残っている設計屋さんたちは、みなさんあきらめの産物のような存在、顔にみんなあきらめのにじみ出たおじさんばかりでしょう?
何故か妙に納得してしまう・・・・

健康で忙しく、毎日ぼやいてばかりいるのが幸せな証拠かもしれない。

設計者を決める方法・その3


スタンドランプ ベース


今日も昨日も報じている、かの偽装事件。
もうこの書き出しで内容が決まってしまいそうなほど誰もが知っている話題。

お陰様で建築士の資格を持つものの肩身の狭いこと極まりないです。
住まいを計画される方にはハウスメーカーも町場の工務店も設計事務所も全て同列にしか見えてない現状で、いくら先に設計者を決めなければ始まりませんよ・・・なんて叫んでみても犬の遠吠えにしか聞こえてないんじゃないでしょうか?
ものすごく悲観的になってしまいますよね御同輩諸君!!!

何でも多様化の時代と言われるようになってから久しいのですが、住まいの考え方も建物の種類も多くなりすぎていえづくりを考えていらっしゃる方々にはお気の毒なくらいです。
楽しみなはずが、どの工務店かハウスメーカーかを選んでいる間に多くの時間と労力を投資していただかなければなりません。
そうあるべきなのでしょうか?

いろいろなお話しを聞きすぎて「もういいや」とサジを投げたくなって、まさに「無」の境地になったとき、悟りを開く・・・・
多くのかたのお話しを聞いてきた小生としては、その方が今どの段階かが解ってしまうのです。

いえづくりも工法や性能、デザインを争うのではなく、パートナーとしてお伴するサービスを提供していけると設計事務所の存在は重要なケアサービスとなるんでしょうね。
こんな切り口で仕事を進めています。