色をあなどるなかれ・その2


スタンドランプ ベース


今月は毎日書き込もうと勢い込んでいましたが本日がラストデー、残念!
もう古くなってしまったギャグですね、彼はいったいどうしているのかな?
建築の色に関しての話題の中で、樋と外壁のバランス、特に屋根を重ねて配置したときには困らせられます。
屋根の色に近い配色にしたり、竪樋の位置を工夫したり、いろいろプランは出ますが結局は雨のはけ具合が悪ければ後々メンテナンスで苦労をするだけ、・・・と

何かすばらしい製品が出来るときっと売れるだろうな、いつも考えさせられるアイテムです。

設計者を決める方法・その2


スタンドランプ ベース


今日のコミュニケーションログはメールには例がなく、実は音声、すなわち電話でのことでした。
電話の録音が出来るシステムは持っていませんし、相手方に失礼でもありますので文章でここに記録しておきます。

それは住宅の気密に関する質問でした。
「気密は必要なんですか?」これはおそらくメーカーさんからいろいろ説かれた結果の質問なんでしょうね。
気密はもちろん必要ですが、必要ですというよりすでにあるというか、どの程度にどんな考え方で気密の設計をしておくか、と言った方が正確な言葉ではないかと思います。

多くの住宅は気密に対して無関心というか、気密のコントロールを神経質に考えていないのです。

これを通風という日本の古来からの室内環境のワザ(技)と組み合わせて使うと気密の必要性が理解できると説明しました。

ある程度密閉するから風が起こる、密閉して風の通り道をつくってやるということです。
この住宅の中央の廊下上部にあるトップライトからは、夏の暑い日にも気密性能に裏付けられた涼風が屋根付近たまった暖まった空気と交換するかのように入ってきます。

窓(マド)と間戸(マド)



窓は英語のwindowの、まさに風を通す部材のイメージ、これを日本人は間戸と書いたようです。
杉原さんの想像ではなく故清家清先生の本にも書いてあります。
間を区切って使用していた日本建築にはこの言葉がピッタリ、源氏物語の絵巻物は教科書でもお馴染みですが思い出していただけるとよく解りますよね。
こちらのように日本の在来の木造軸組工法にはこの間戸により空間を区切ること、それは内部空間だけでなく、外部空間との境となる窓にもそのまま当てはめても面白いですね。

いつも断熱気密性を高めてボリュームのある空間を作っていますが、壁のあちこちに建具を忍ばせて区切りに自由度を持たせる手法を自然に多用することになってしまったのはちょと興味深い現象。
昔の夏を旨とすべし、の通風良好のみではなく、締め切ったらエネルギーを逃がさないぞ、の杉原さんの住宅でも、やはり別の意味合いで建具で空間を区切っています。
こちらの住宅でも良くわからないかもも知れませんがそんな工夫が隠されていますので平面図も参照してみてください)

それは音や風、人間の視界、冷暖房効率、間の使い勝手など、考えると奥の深いのが間戸です。

現場の進行に合わせて再検討

設計監理の仕事をさぼろうとしているわけではありませんが、図面や模型、完成パースをお見せしても解らないことはあるはずです。
当たり前ですが100パーセントを理解できれば監理者なんて必要ないですよね。
(実はそれでも必要なんですが、ここでは触れませんがこちらも参考にしてください

新しい住まいでの生活をスタートしてお世話になることの多いのがキッチン、特に水洗カランなどはその最たるもの。
夢を語る設計からは縁が無いようにも思えるのですが合理性の結晶がデザインの美しさとも解釈できる住まい設計の世界です、大いに気にしましょう。

当事者たる建築主ご本人にはカランを持った感触や使い勝手、耐久性など、人によっては設計者が考える以上に建物の外観デザインより重要なことです。
そんなある日のメールの一節です。

カランの変更は現場への納品期限内であれば充分間に合いますよ。

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キッチンですが、(今更なのですが)水栓金具を変更したいのですが、
これもまだ間に合うでしょうか?

木材の検査

ご自分の家に使用される木材は解らないなりにもご自分で確認をしていただくことにしております。
木材に関する考え方は個人差があります。
もちろん建築主さんに専門家並みの評価を望んでいるのではなく、記念的意味合いとまた普段の生活では触れることのない木材関連業者の話しを聞いていただいて工事に対する姿勢を認識していただくこと、ご自分の住まいに対する責任と愛着を持っていただくためのイベントでもあります。

契約に対する材料の評価は設計者が経験を土台に行ってゆきますので大丈夫です。

でも正直言って、作品としての可愛さが先行してしまい、良い材料が揃ってしまうことの方が多かったのですが・・・・

同時に現場進行に関するご意見を窺うチャンスでもあります。

そんな課程でのメールが以下のものです。

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すぎはら設計 杉原様

お世話になっております。////です。

木材の材料検査ですが、////でお願いできますでしょうか?
やはり、自分たちの目で確かめておきたいので。宜しくお願いします。

それから、細かい事ですが、確認させてください。

洗濯機のパンですが、大きさ(内寸)がわかれば教えてください。
確か、当初より小さいものにしたような気がするのですが、
将来の買い替えを考えると、ドラム式洗濯機も入る大型のものに
しておきたいのです。
もし、小さいものでしたら大きい方へ変更は可能でしょうか?

////////////////続く


税金対策も考慮しましょう



住まいを新築するとどうしてもくぐらなければならない関所、固定資産税、不動産取得税などの税金。
大まかな解説はこちらも参考にしてください。

どこの市町村も10月頃から現場調査をして、12月に確定するようです。
国民の義務とはいえなるべく軽傷に押さえておきたいのが人情、査定基準は国が決定してしまいますので不公平が無いと信じたいのですが、どこまでいっても人間のすることです。
どこか納得出来ないときは2月頃に相談窓口へ行けば「まけといてくれ」なんては言えませんが、申告に対する説明を受ける権利を行使する期間はあるのはご存じですか。

また税率は変わりませんが、不動産取得税などは240m2以下であれば控除額1200万円を引き算した評価額で設定してくれます。
地方自治体ごとの差はありますが、固定資産税に対しても減免処置がありますのでよくお調べになることをお奨めします。

本当にお勉強は身を助けてくれます。

以下はそんな頃にいただいたメールです。

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杉原様、おはようございます。近日中に税務調査がありますが、その際建設に関する契約書が必要とのこと、私どもには、コピーしかありませんがよろしいでしょうか?念のため役場に尋ねてみますが。

収納と生活




収納に関する建築主さんからの要望に最も多いのは「たくさん欲しいのです」というのものです。
あまりにも漠然としすぎていてどう受け止めていいものやら迷ってプランに具体的にどう配置して良いものやら困ることが多いため、まずはホームページの住まい方サーチからいただいた資料を手掛かりにしてゆきます。

プランするうえでの考え方の一つとしてシンプルに住まいの中での行動を振り返り、その目的場所のそれぞれで便利なようにという合理性に基づくことが良かろうというものです。
したがって、目的を果たす場所たとえば洗面所には何が欲しいか、台所には何が欲しいか、便所には何が欲しいか、といった具合に建築主さんに質問を繰り返すのが入り口になっています。

ところが面白いのは住まいを生活の場としてだけとらえていない人もいらっしゃるということです。
「センス良く」ということを優先させる場合もあります。

最近面白いパターンが登場しました。
それは今までで最もおおらかな考え方です。
現実の生活に登場しなくなったものはとにかく大きな納戸がどこかにあれば、そこにつっこんどきます、というものです。
曰く「時間がたってあらためて昔の写真や持ち物が出てくると懐かしくて楽しいものですよ、処分が難しいからと何でも整理して捨てることを考えなくてもいいじゃないですか」という意見です。
言い得て妙!

小生のように写真でも記念品でも捨てるくらいなら最初から買わなきゃいいんだよ、というのはこの人に言わせれば世捨て人に写ってしまいそうですが、最近では整理という行為は住まいの中の見栄えを良くすることだけでなく、生活のある時点でのセクションを設けて自分そのものを整理整頓して次を思う行為なのだろうと。

知らず知らずも内に誰もが行っている行為ではないでしょうか?

住まいを新築するに当たって、表面的なことばかりでなく、過去を振り返ると収納スペースをどうするかのヒントが拾えるのではないでしょうか。

連休は落ち着いてプラン作り




世の中は連休というのに、ほとんど休まずにいた私。
あるプランのパースをお得意のアーキキャドでモデリング、そしてサイトの編集作業でつぶれてしまいました。
つぶすつもりはなかったのですがつぶれてしまいました。
こういう人を「貧乏性」と言うのでしょうね。

ところが本人は意外とノンキというか、心中では「またか」と後悔の気持ちが渦巻いているのですが、諦めというよりここ数年は予定通りという積極的な気持ちが勝ってきてしまっています。

振り返って思うのは、自己実現を設計事務所に勤めながら目指しておられる方々への言葉として送りたいということ。(というには大上段に構えすぎで好きではないのですが、就職希望者をビーイングに出している手前、あえて書きます)

生活のためだとする仕事は辛さを乗り越えるまで頑張ろう、ということになります。
この場合、気持ちのエンジンはひとつしかなく挫折すると再起動するまで時間を要します。
ところが、これが自分の好きなことや自己実現のため、ということになると何か別のエンジンが起動する気がします。
ましてや独立してから100パーセントではないのですが、ほとんどの休日をこんなふうに過ごしてきていると、休日の意味合いが変わってしまいます。

これを数式に表すと「寛ー設計=0」となるのでしょうか?
0になるのが怖くて別のエンジンを起動してしまうのでしょうか?

それにしても建築主さんの「連休は杉原さんどちらへ」の言葉に「プラン作りとサイトの更新でもしようかと」と答えると「相変わらず仕事熱心ですね」と気の毒そうな顔をされると、逆にこちらが気の毒に思えてしまうのは何故でしょう?単なるおしゃべりだからか?

でも連休に描くプランはまとまりがいいですよ!

家族での打合せがいい!


グレコサイドテーブル2個セット

今回のメールの中には子供さんが同行されることが書かれています。
年齢的にも特に意見を持ってみえるわけでもないのですが、否、失礼、持ってみえても理解できないかも知れません。
しかし、お会いしておくと大人になってからどんな出来事があったかを思い出してくれるはず。
打合せの最中にはお家のことなんかより外で遊んでいる方がよっぽど楽しかったようでしたが?????

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///月///日、午後2時ごろに間に合うようにお伺いしようと思います。
子供(1才7ヶ月です。)も連れて行く事になると思いますので、落ちついてお話できるかわかりませんが,よろしくお願い
します。

また、杉原さんの設計されたお宅を見せていただく機会も頂ければと思っております。(建築中の///のお宅も非常に気になっています。)
そのあたりのお話も含めて、お会いするのを楽しみにしております。

                

建築主とのめぐり逢い・その2


スタンドランプ ベース


「そんなこと当然」と言われそうですが建築主さんからアプローチがスタートした方が前向きな内容になることが多いようです。
ホームページなどやあちこちの現場見学会などである程度の予備知識がそれなりにあり、思いが輪郭として整いつつあるからでしょうね。
子供の教育も自発性を育てることに重きをおくように、大人だって不安いっぱいのいえずづくりにパートナーが欲しいのは当然。

下のメールの文章の勢いは嬉しいというか可愛いというか、(失礼!)。

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こんばんは。
//月の終わりにメールさせていただきました、//////です。

杉原さんのHP、メールの丁寧なお返事を見させていただいて、一度お会いしたいという結論になりました。

大変急で申し訳ないのですが、この土日(////の両日)の間にお時間いただけませんでしょうか?

もしダメでも、土曜日でしたらこちらも都合がつけられると思います。

また、何からお話していいかわからないのですが、こちらで用意していくものがあれば教えてください。

急なお願いで申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

建築ブックマーク、建築ファイルに掲載されるようになってから



以下は建築ブックマークの建築ファイルに掲載されるようになってからいただいたあるメールです。
安藤忠雄さんの作品と同じ目次ページになっており、「びっくりしたよ!」とある友人からも冷やかされました。

確かに嬉しいのですが自分の文章力のなさは本人が一番良く知っています。
おかしな文章は「個性」ということにしてください・・・・という返信をしておきました。

私が「まちかどけんちくか」というひらがなの自称を作ったのは、建築家のいうには社会性の乏しい仕事内容に対する遠慮と、それでもやはり建築主の思いをしっかり具現化したいという志をひらがなに置き換えてみたのです。

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すぎはら設計 杉原様

お世話になります。////です。
建築ブックマーク、反響はどうですか?
安藤さんと並んで載ってるなんて、凄く不思議な感じです。

次回打ち合わせですが、20日の午後に伺います。
宜しくお願いします。

話し合いの中から見えてくる我が家の輪郭や暮らし向き


スタンドランプ ベース


何度も繰り返して打合せが出来る時間があると、いえずくりのいろいろな側面が徐々にはっきり見えてきて、楽しくもあり苦しくもあります。
自分たちの住まいを丁寧に創ってゆきたいと考えて方針を定めていらっしゃる方には、
それはあとで失敗だったなと後悔しないためのベストな方法だと信じています。

以下はそんな段階へさしかかり、かなり具体的なご意見をいただけるようになったある日のメールの一節です。

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それでは、食品庫部分の窓をつけるのは、お願いします。
北面と西面、どちらが妥当でしょうか?両方とも耐力壁のようですが、大丈夫ですか?ここは、突き出し窓でOKです。

今の図面の2枚並んでいる窓の西側の方の前に冷蔵庫を置こうと思っています。
ですから、北面の窓は現状よりもう少し東へずらしたいです。

窓の種類ですが、突き出し窓の利点はなんでしょうか?
引き違い窓のほうが、開口の調整が利くのでいいと思うのですが。

それから、キッチンの背面カウンターと吊戸棚の間の壁に棚を作って頂く事は
可能でしょうか?カウンターに電子レンジ、その上に棚を作ってもらい、トースターを置きたいと思っているのですが。

それが出来ると、今見積もりを出してもらっているプランで不満な点が解消されて、GOサインが出せそうな気がしています。