住まいは一日の行動からプランを作ってゆく



以下は試行錯誤しながら建築主さんとプランを創りつつある課程でいただいたメールのなかの可愛い一節です。

プランを作るときには一日の行動パターンを思い起こしてもらいプランを固める基礎にすることが建築をとっつきやすくしてくれます。
逆にこれのみに終始することは別の弊害が出てきますが、そこが住宅設計のプロとしての役割であるのは当然です。
さらに、ただ賞取りを意識するのみでなく、大きなタンカーを導くタグボートのように、設計者としての経験から生まれてきた住まいに対する考え方を盛り込んでゆくことが社会的な仕事をすることに繋がってゆくように思っています。

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主人の一日の動きを考えたとき、着替えをするという行為が、朝は出かける寸前、夜は帰ってきてすぐである事がわかりました。
さらに面倒くさがりなので、いちいち着替えのために二階に上がるということをしないという結論になりました。
もし更衣室のような場所が無い場合にも居間などの一階スペースに服を持ち込んで
常においてあるという場所が出来てしまうのは目に見えているので、それならば、置き場所&着替えスペースを確保したほうがいいんじゃないかという考えに至ったのです。

義務教育に建築学を入れてはどうかな?


スタンドランプ(アップル)


メール投稿をいただいたわけではありませんが、ある雑誌で表題のような記事を見かけてまさに同感です。
「国家の品格」なんて本がベストセラーに上がってきているようですが、誇りもかなぐり捨てたような事件が次々に起こるようになってしまったこの国を思う大人の一人としては、戦前を彷彿とさせる思想教育よりも、建築学を子供たちに覚えてもらいたいものだと感じます。

歴史という科目がありますが、建築学にも建築史という歴史学があります、のみならず数学にも通ずるそしてものずくりにも関わる構造力学、法のあり方も考えなければならない建築基準法など、人間が住まう原点を人間の行動や寸法、思いまでもバランスを欠く建物は成り立ちえない。

日本の成り立ちを日本書紀からスタートして中国や韓国を刺激し続けてきた教科書問題より離れて、建築学という穏やかな響きの中で、自分の手でものを創るという子供たちが忘れかけている面白さの中で、この国に生まれたすばらしさや誇りを教えたら殺伐とした事件が減ってはくれないでしょうか?

今日はある雑誌を見て沸々と思うところがありました。

色をあなどるなかれ



建築に使う色をある人は「普通の色を使っておけば無難ですから・・・」という言葉で意見を濁してしまっている場合が多いのでは無いでしょうか?
この「普通の色」という言葉を使ってしまう人は小生の施主ではないようです。(ちょっと失礼でしたか)

学生の頃の建築学科には美術の時間がありました。
フリータイムでデッサンばかり描いていた記憶しかありませんが、たった一つ岡野教授という方と中島教授にお聴きした「建築にはせいぜい2,3色を使えばいいんです」という一言。
これは今でも納得の一言です。
バランス良く見せるには、この基本に基づいて意志を投入する配色を応用編で考える。

色をあなどってはいけません。

以下はそんな現場での流れの中でいただいたメールです。

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お世話になっております。

昨日頂いた外壁サンプルを家族で比較検討したところ、次の要望事項が出てきました。

B213 を基調色にしてB216 (///邸)の石粒の色と粒子の大きさをミックスしたサンプルは出来るでしょうか。

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瑕疵を自然に防ぐ・その2


スタンドランプ(アップル)


昨日の続きになります。

ある建築主さんの瑕疵に関する質問に対して「どの工務店さんも完璧な仕事は無理です、どれだけ契約を振りかざしても妥協を余儀なくされる場面があります」と答えたことがあります。
建築を完成された商品として受け取ってみえる建築主さんには言語道断でしょうが、どんな現場も必ず落ち度はあります。

残念ながらこの意見は外部から見ると危険な発言であったかも知れません。
しかしこれは30年の設計経験からこぼれ落ちたある意味珠玉?の言葉です。

例えは適当では無いかも知れませんが、裏返すと自民党の単独政権がいまだにお手盛りを繰り返しているように、工務店も第3者の設計監理者が指摘をしない限り気が付かない間違いはあり、それを気が付いても修正することはさらに少ないと言わざるをえません。(努力をしている会社はたくさんありますが)

少なくとも小生は、その間違いを見捨てないで、人間とガンの関係、人間とウイルスの関係のように切っても切れない宿命の関係であると考え、前向きに一緒に改善しましょうと、現代の流行のように切れないで、真正面から取り組んでいるつもりです。

今日は(も)いつになく真面目でした。

瑕疵を自然に防ぐ


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今日はというか今日も堅い話題で恐縮です。(本当は柔らかい話題が好き)
現場進行中に施主さんから頂いた意見で綴っているこのブログですが、ときとして辛辣に受け止めなければいけない場面もありました。
そのメールの内容をここに照会しても良いのですがご本人の思いと食い違っていると失礼ですので控えておきます。

かの偽装事件が起きた一因には建築士の義務である建築主への報告をしなかったことが上げられます。
(もっともこの事件は報告なんてのんきな表現で伝わるような状況ではなかったようですが)

意外と知られていないのがこの「報告義務」、建築士は建設会社と一体のもの、その管理下にある仕事と理解しておられる方は少なくはないはず、ところが本当はまったく逆の「正義の味方」。

現場が包みの中にある御菓子のように食えない菓子(瑕疵)にならないように未然に対処するのが建築士さんの仕事の一部に含まれているのです。

ところがこの御菓子、上手に建築主に渡さないと誤解を生む菓子でもあるのです。
まさに今、現場で行われている瑕疵を生む状況を伝えられた建築主は尋常な気持ちではいられないのです。
そりゃ当然でしょう!これから出来上がる大事な宝を一生かけて面倒見るのは自分なのですから。

そんな場面には、ときには建築主の気持ちを思いを込めて工事担当者に伝える心技も血の通った監理。
また冷静に淡々と粛々と工事の軌道修正に立ち合って建築主と見守るのも血の通った監理です。
そしてもちろん、設計時に考えていた竣工後の出来映えに狂いがないようにレールを外さない監理も重要です。

名義貸し?名義瑕疵?


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昨日のテレビニュースは衝撃的でした。
建築士の名義を貸すなんてカスです!瑕疵か?

いつも思うのですが、確かに生活のためという大命題は存在しますし家族を守るためには仕事は崇高な行為でもあると思います。
学校で教えてもらったような建築を生業にする者の道徳というか基本的レールを脱線してはいけませんよね。

ただ、その基本を狂わせるような波を社会が次々と発生させているのも事実ですが。

それは仕事を確保しようとする方法にその病原といってもよいようなものがあるように思います。また世の中を斜めに見たような形をとらずに正当な形をとってゆきたいと常々考えています。

波を被ってもちゃんと立っていられるような建築士としての自立心を確立していないといけないのでしょうね。それには学生の頃に味わった建築の面白さを思い起こすことから始まるのではないでしょうか。

「どうでもいいけどね」?なんて言わないで細かな配慮が大切




落ち着いていて佇まいの良い住まいは全体としてのまとまりが良いばかりではありません。
意外と細かな配慮がなされているものです、特に表札などはその最たるものです。
多くの打合せ時間を消費していざ完成かと思いきや、表札の居場所がよくわからない、なんてことはたまにあります。

そんなある日の出来事、以下のようなメールにも多くの物語と思いが込められているのです。

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表札を玄関に取り付けるとする場合、具体的にどんな方法で取り付けるのですか?
例えば釘を打って引っ掛けるとか・・・
次の打ち合わせのときでも結構ですので教えてください

アイシネン気密断熱システム


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以前にもご紹介しましたアイシネン、今までいろいろな断熱気密を試してみましたがアイシネンが一番間違いのない性能を実現してくれているようです。
もちろん、現在の小生のデザインではという条件がつきますが。
材料の性能だけでなく、工法の手軽さという点が特に他の断熱気密に比べると優れています。
2,3日という時間で吹き付けるのみで必要な性能を確保できます。

ただ現場での吹き付け後の見栄えの印象に個人差があることによる施主さんの対応には、ときたま苦労します。
建物全体としての性能は大丈夫としても発泡のケロイドのようで厚みの条件を確保しづらい状況に修正工事を要求せざるをえないときがときたまあります。

アイシネン単体の商品の仕上がりに対する考え方には、北米からの輸入品に日本人らしい思いを突きつけているようで苦笑してしまいます。

みなさんも検索サイトでアイシネンを調べてやってください。

現場案内メールで失敗


スタンドランプ(アップル)


このメールはある日返信させて頂いたメールに不具合があり、頭をかいて謝っております。
進行中の現場の様子を見てもらうための案内を同時にしております。

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こちらこそ、差し出がましく指摘し申し訳ありません。
私もメールではいろいろ失敗しておりますので・・・・

今後とも宜しくお願い致します。

—–Original Message—–
From: arhiro [mailto:arhiro@grn.mmtr.or.jp]
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Subject: HP更新の御案内にて失礼しました

/////様
昨日は失礼しました。
初めての一括送信で失敗してしまいました。
これからはBCCに書き込むようにします、教えていただいてありがとうございまし
た。

先日お教えした神戸町の現場の建て方が終了しました。
形状が周囲と変わっていますのでよく解ることと思います。
HPでは左フレームの上から2番目をクリックして頂くとアニメーションが
始まる建物です。

               以上

————————————————-
(株)すぎはら設計    杉原 寛
arhiro@grn.mmtr.or.jp
              http://www.grn.mmtr.or.jp/~arhiro 
     岐阜県揖斐郡揖斐川町脛永908番地の1
              tel : 0585-22-1035
fax : 0585-22-2105
————————————————-

建築相談のみも大切な仕事


スタンドランプ(アップル)

いただくメールの中には、どこに相談をしていいものか迷っておられる方や、あちこち見学してみたけれど完全に迷路に迷い込んでしまっておられる方もいらっしゃいます。
結局、小生は道しるべの役目をしていたという場面もあります。
しかし、それだけで充分仕事になっているようです。というのは何に困っておられるかを身近に感じて、得るものがあるからです。

以下はそんなメールのひとつです。

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杉原寛 様

  お返事ありがとうございました。
  私事で恐縮ですが、あれからまた日々状況が刻々と動き、それに対応しているうちにお礼のお返事が遅くなってしまいました。
 
 結果、とうとう土地を決めることにいたしました。
 この土地は、今現在住んでいるところから車で一分ほどと至近で、娘が小学校の校区を変わらずにすみ、北東角地であることで決めました。
 地形は南北に長い長方形から北東部を削り落としたようになっています。
この、斜めになった部分を含めて土地全体を有効に利用してみせるぞと心に決めて、決意しました。

 お返事を頂いて後、夫婦で話し合いました。
 とくに、妻がこだわりたい洋風とはいったいなんなのか、かなり突っ込んで話をしました。元来口下手な妻でありますが、どうやら彼女は、長かったおんぼろ貸家生活の
鬱憤を、マイホームの美しさ、ファッショナブルさとして昇華したいようです。
 しかし夫婦共にデザイン的に「これでなければ!」と指名買いできるほどの含蓄が
あるわけではないので、その部分をカタログやプロの方々に期待したいのですね。
 私個人的には、「いーや、自分で探し出し、選びきってみせたい。」とも思っているのですが。

 …さて、これからどうやって家を建ててゆけばよいのか、山登りの開始です。
 現在は地元岐阜の工務店(ツーバイフォー内断熱)、東急ホームミルクリークフランチャイズ工務店、ソーラーサーキット施工工務店の3店の方と接触をしてい
ます。
  構造的には、外断熱、二重通気工法と銘打つ「ソーラーサーキットの家」
に興味を引かれています。この工法について、また既存の内断熱工法について、
ご意見をお聞かせいただけましたら嬉しいです。リンクされている

 お仕事を依頼するかどうかも分からないのに、勝手なことばかり書いて申し訳ありません。
 私も、このまま工務店オンリーで行くべきなのか、設計事務所さんにもお願いすべきなのか、なんとも考えがつかないのです。
 まずは、工務店のプランの独自プランを聞いてみてからなのか…とも思っているのですが。わかりません。時間の無駄なのかも…。なにせ予算がきついですから(笑)。

 BBSのフォームを書き込んでみました。
 自分たち自身の分析にもなりました。

 ありがとうございます。それでは失礼いたします。

 ///////
   

 岐阜県//////////////////
 電話 /////////

はじめの一歩が大切


グレコサイドテーブル2個セット

初めてお会いする前にいただいたメールです。

どうしても専門家は取っつきづらいという印象を持ってこられるのが大半、多くの場合は小生の個性を前面に出すことに心がけています。
だからどうしても単なる揖斐の田舎のおじさんか?が、ちょっと頼り無いな、ということにならないスレスレを狙った応対です。
・・・・良くわからないですね。

変に堅い話はかえって中身を稀薄なものにします。

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こんばんは。
7月の終わりにメールさせていただきました、////市の////です。

杉原さんのHP、メールの丁寧なお返事を見させていただいて、一度お会いしたいという結論になりました。

大変急で申し訳ないのですが、この土日(10/18・19の両日)の間にお時間いただけませんでしょうか?

もしダメでも、土曜日でしたらこちらも都合がつけられると思います。

また、何からお話していいかわからないのですが、こちらで用意していくものがあれば教えてください。

急なお願いで申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

設計屋は何者?

ホームページをきっかけにアクセスして下さる方があるようになってきてから、ますます建築設計屋に対する見方に幅がありすぎるように感じます。
あえて「ホームページ派」とでもいいましょうか、こちらを直視されている感覚です。
こちらの行動を見据えて期待を裏切らないかを評価しておられるようです、こちらは意外とマイペースで肩の力を抜いていますが。(その方が良い仕事が出来るという意味で)

逆に「ノンホームページ派」は、やはりというか相変わらずの過去の設計事務所のイメージを背負っておられるようです。
どこまでいっても工事費のパーセンテージでことが片付くことに期待を掛けておられるようで、こちらの考え方には触れたくないという感覚が隅っこにあるようです。

何を作っているのかをホームページで下調べをしていないからでしょうか?
ただ単にそれだけではないようです、イメージ作りをしているのはいったいどこの誰でしょう。いつもこんな独り言を言っています。

少なくとも小生は前者の仕事に生き甲斐を感じます。