契約の当日、請負契約書を挟んで建築主が契約書を眺める目と請負業者のそれとは違いがあります。
もしもそれが住まいの契約書であった場合には、建築主は工事の完成に夢を膨らませている気持ちと何日にどれだけの金額を納めなければならないかを気にする気持ちが混在する状態ではないかと想像しながら契約書捺印署名に立ち合っています。
ところが請負側の建設会社はといえば、思いのほか同じ当事者でありながらクールな雰囲気で捺印されています。
建築主は契約書の文字面というより文字の筆圧や行間に込められた請負業者の心意気を読みたい気持ちの方が強いようです。
事業用施設の請負契約の場合のお互いの気持ちの食い違いはまたカラーの違ったものなのでしょうが、いずれにせよここが建築現場で起こる種々のドラマの始まり第1幕といった感じです。