中庭がもつ意味

中庭というと何を思い出されますか?
多くの方が京都の町屋の風情を思いだされているのでは無いでしょうか。
では、その風情だけですか?お気に入りなのは?

設計者の中には、住宅で囲われたその空間は耐震的に良くない、と一刀両断に批判の対象にしてしまう方が、特に最近は多く居ます。
だけどそれだけの見識にプラスして町屋の風情くらいを上げる設計者ならば、住宅の設計は契約されない方がいいですよ。

この建物のこの中庭に対する建築主さんの評価は、三つありました。

画像をご覧になると凹形状になっていることがお分かりだと思いますが、この中庭デッキの奥が居間になっております。
まず一つは、居間周辺がまんべんなく明るく過ごしやすい。
二つ目は、敷地周囲が広いので視線を気にしなくて良い方向を与えられており、気持ちが休まる。
三つ目は、意外と奥まで風が通るので涼しい、ということでした。

京都の町屋もゴチャゴチャしたイメージがありますが、風の上昇があり涼しい風通しがあると聞いておりますし、建物の凸凹がもたらす心地よい現象を逃さない手はありません。
設計者としては、耐震性を確保した枠の中で、こんな楽しみを感じさせてあげたいものです。

こちらのお家の週末は、このデッキにテーブルを出して、家族みんなで小パーティーをすることが多いそうです。

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