瓦屋根のデザインを考えるときにいつも思うのは、平屋にならないかということです。
もちろん建築主の意志を無視するわけではないのですが、瓦の美しさをいちばん引き出せるのは、どうしても富士山のようになだらかで柔らかな曲線が、中途半端な垂直ラインが入らない状態で、地面に消えてゆくように見えることです。
プランの関係で平面的な凹凸が出てくるようでしたら、山並みが重なるようなイメージを描きつつマトメを試みます。(参考デザイン:K邸)
ただ多くの場合は敷地の制約から2階建てになりがちでいつも残念賞です。
ところが思い入れは消えることが無く、2階建てになってもやはり平屋の残像が残るような姿になっていることが多いようです。(参考デザイン:T邸)
それが証拠によくこんなことを人に言われます。
ご案内して現地を離れてから「あれ、今の家は2階建てでしたっけ」と・・・・
瓦デザインのコンペでは、かなり媚びたデザインや目立つ物件の話題性が優位を占めるようですが(瓦の宣伝ですから当然かも)本来はその美しさを引き出せる使い方を賞賛してほしいものです。
2階建てでも、その美しさを引き出す秘策があります。
・・・・・・それはヒロシの秘密です。(冗談ではなくあるんです)