以前ご紹介させて頂きました新様式の太谷派寺院の明秀寺様のお話です。
岐阜では珍しい存在でも他県へ行けばあちこちで散見しますので「和便器と洋便器の違い」なんてちょっと不謹慎な例えをしてしまいました。
新様式と呼んでいますが、この呼び方は京都の全国に名の知れた仏具店様で小堀仏具の担当の方からお教え頂きました。
単に「従来の伝統的パターンではない寺の作り方」といった軽い意味ではないかと思います。
和便器と洋便器という例えはご住職の奥様とお話ししていてふっと出てきた話です。
時代の流れ、種々の環境、門徒様のことを考えるとこの様式がマッチしているという判断は、小生共のような設計者がある時代に受けた「受難」、すなわち和便器をすべて洋便器に変えてしまったことにより、実は体に負担無く使いやすいのにもかかわらず「こんなところで用がたせるか」とお叱りを受けたことと何か共通点を感じました。
洋便器もほどなく時代の承認を受けていったように、新様式も同様に時代の承認を受けて、自然な流れになってゆくよう思えます。