金物見参!とでも言いたげな存在、「いざ鎌倉!」とばかりに「この建物をお守り申し候」とこちらを向いて宣言されているようにも感じます。
従来からその必要性を叫ばれていましたが、阪神の震災から以降は一気にその使用が常識化して、伝統工法を周到している大工棟梁を押し黙らせてしまった観さえあります。
使用することの是非は、地震の発生を毎日のように報じる今となっては問えない状況にもなりつつありますが、それにしても「木が可愛そう」と言いたいのが正直なところです。
伝統的な木造の工法でも十分な耐震性が確保できれば金物の手伝いなど頼らずとも良かったのですが、日本人はその良さを忘れ去り振り返ることを怠り、金物の速効性にのみエールを送っているように見えてしまいます。
現金な国民性までも垣間見えてしまいます。
「お前は戦争を知らんから、がむしゃらに働かなければならなかった日本人のおかれた状況を知らんから、そんなノンキなことにかまってられたか」とお叱りも聞こえてきそうな気もしますが。
ともかくもこの金物のお助けマンに頼れば、耐震性を確保出来るのは、最近の多くの検証で実証されています。
ジレンマに陥ることなく、デザインさせて頂きます。合掌