仕口(しくち)という言葉の響きには建築用語の伝統性を感じてしまうのは小生だけでしょうか?
仕事のやり口とでも言いたげな職人世界の臭いがします。
木造の水平材、垂直材、斜材を組み合わせるときの接合部のことですが、このブログを続けて読んでくださっている方には、以前「一体化」の話題でも触れたことに関連して、その接合部にかかった力を的確に伝える重要な役割のある部位です。
この部分をよく見て頂くと、どの程度の力を伝える必要のある部分かによって形がいろいろありますし、引っ張り方向か、圧縮方向か、せん断方向か、どの方向に力を伝えるかも考えられた形にもなっています。
また組み合わせるときの作業性や、組上がったときの接触面の時間軸での変化までも予想された形でもあります。
この世界に入って最初に見たときは、おかしな話ですが、本当に感動してしまいました。
いくら機械化されていっても、こんな場所に伝統が息づいているのを知っておいて頂くのも、家創りの醍醐味です。