設計上でも工事でも、2つのものを一体化するという技を考えつつ作業を進める必要があります。
解りやすい例では、基礎などコンクリート躯体(骨組み)における打ち継ぐ技術です。
構造計算では柱と梁(柱と柱を横に繋ぐ部材)とは完全に一体化している、地震のときなどは力が滑らかに柱から梁に伝わると仮定していますが、現場での造る作業ではその仮定通りに理想に近い状態で打ち継がれることはありません。
ご存じない方にはショックかもしれませんが事実です。
構造の計算をする際にはそんな現場でのリスクを前提に安全率を見込んでありますが、それでも現場の作業条件次第でその安全率も吹き飛ぶようなことも起きます。
「設計でそれを充分フォローできる工夫をすればいいではないか」と思われる方が多いでしょうね。
ところが、それは出来るときとそうでないときがあります。
なぜならば、設計者は現場で出来上がってくるものと、建築主(クライアントと呼ばれることもあります)との考え方を一体化する作業があるからです。
建築主の意向に沿ったデザインを提案する義務があるからです。
建築主が店舗経営者ならば、お客様に顔を向けて計画を立案しなければなりません。
ここにも一体化する作業があります。
例はコンクリート躯体の一体化ですが、人間の意向や目的の一体化まで絡んでゆくのが建築という世界です。
土木の災害防止とはカラーが違っていますよね。
お話ししたかったのは、もっと大きな意味でしたが、時間がないので今日はこのあたりでおしまいひろし。